『麒麟大天覧』に寄せて、阿部健一氏よりレコメンド

公演に寄せて皆様よりレコメンドをいただいています。

第六弾は、演劇活性化団体uni主宰・阿部健一さんより。


白昼夢の石坂と米山とわたしは、大学の同級生で、およそ10年前、おなじ頃に劇団を立ち上げた。当初は互いの公演を手助けするような関係にあったが、今は全く違う場所で違うことをしている。白昼夢が虚構と熱量をホスピタリティを込めて観客に叩きつける作品を出しつづける中、わたしは町中でコミュニティと演劇をつくっていた。ファミリーを構築し「作品」と取っ組み合いを続ける彼らは眩しかったし、嫉妬もしたし、気がかりでもあった。

 

二年前、ある集まりで石坂が、どういう文脈か忘れてしまったけど、劇団の向かう方向として「ムラだな」と言っていた。それはより大きな劇場を目指す路線のオルタナティブとしての「ムラ」な訳だけど、活動再開の知らせを聞いたときに思い出したのはそのことだった。この二年で、ムラをこしらえる準備ができたんでしょう。彼らがどんなムラをつくっていくのか楽しみだし、マチづくりの人間として10年越しに彼らと何かできたらいいなと思う。彼らにフィットする土地はそうそう見つからないから、しばらくは移動するムラ。まずは上野ストアハウスを根城にすると聞いたので、会いに行きます。

 

  

 

 

阿部健一(演劇活性化団体uni主宰)

Twitter│@kabe_kudo

演劇活性化団体uni│https://www.uni-theatre.com/